→紀伊國屋書店で購入 「潜み笑いとメタ批評」 「英米文学研究にはこんなこともできるのだ!」を示すには格好の一冊である。2000年の出版だが、すでに古典の風格がある。 著者の折島正司は1947年生まれ。60年代後半に学生生活を送り、70年代にはすでに本格的な研究活動に入っていた。構造主義以降の英米仏独の批評理論を、いわばガンガン日本に紹介した急先鋒のひとりである。筆者も大いに恩恵を受けた。 では、本人の手になる研究書ともなればさぞかし理論臭ぷんぷんかというと、全然そんなことはない。おそらくは編集者によるのであろう索引を見ても、項目はすっきりしていて、固有名詞&批評用語バラマキ型の理論派とは一線を画す。 それどころか、何より「イントロダクション」をめくっておどろくのは、書き手の実にうきうきとした口調である。へらへら笑っているわけではないのだが、いちおうまじめそうに語っている底から明らかに昂揚し
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