「夫から逃げたい。助けて」。休日も正月も真夜中にも着信は鳴る。女性たちからのSOSに気付けるよう、広島県内の女性(52)は携帯電話を肌身離さず持っている。 【グラフ】全国の婦人相談員たちが受ける相談内容 ドメスティックバイオレンス(DV)の被害者たちを支える婦人相談員になって7年。最前線で経験を積んできた。なのに自分の足元はおぼつかないまま。最近つくづく思う。「これって『やりがい搾取』じゃない?」 ▽無償・自腹、相談24時間 勤務は週30時間。時間外の相談は全てボランティアだ。夫に隠れて深夜にしかやりとりできない人も多い。「家を出て経済的に大丈夫かな」「連れ戻されるのが怖い」…。時間を問わず不安の声を受け止める。「命が懸かっている。相手の人生に寄り添う覚悟でやっています」と話す。 支えるのは難しい。配偶者や恋人の元から逃がして終わりじゃない。避難場所や離婚、就職、子どもの転校をどうするか。