ツイッターではわりと人気のある本業がシェイクスピア研究の批評家という人(詳しくは知らない)が実は観たことのない有名映画を観て率直な感想を述べるという企画のようで、今回は『ダーティハリー』の回。その『ダーティハリー』に対する評価は人の感想などさまざまなのでどうでもいいのだが、読んでいて「あれっ?」となる記述がいくつかあった。 60年代後半から70年代に、アメリカン・ニュー・シネマ(英語ではニュー・ハリウッドと呼ばれます)という潮流がありました。何らかの体制に抑圧されている若者たちが、なんとかして現状を打破しようする反体制的な要素と、あからさまな暴力やセックス表現が主な特徴として挙げられます。 ニュー・シネマは多くの場合、アメリカ社会が正常に機能していないのだから暴力が発生するのだ、みたいな話になっています。 60年代後半から70年代の潮流であるニュー・シネマは、それ以前にあったいろいろな制約