記事:じんぶん堂企画室 柄谷行人さんおすすめの一冊 書籍情報はこちら 柄谷行人さんおすすめの一冊 柄谷行人さんのおすすめは、ドイツの哲学者・カントの『永遠平和のために』(宇都宮芳明訳 岩波書店)です。古典というにふさわしい一冊ですが、柄谷さんはいまこそ、読むべき本だと強調しています。 カントは一八世紀末に、諸国家の連邦を提唱した。それが二〇世紀に、国際連盟や国際連合として実現されたのは周知のことだが、戦後日本の憲法九条の理念もまた、本書に根ざすものである。私は、今世紀のはじめに、来たるべき世界戦争の危機と、カント的諸国家連合の必然性を考えはじめた。ウクライナに始まった戦争が世界戦争に発展する気配の中、また日本が憲法九条を実質的に捨てようとしている今、これ以上に必要不可欠な本を思いつかない。 ブックフェア「知の深呼吸 考える みえてくる」開催書店では、対象書籍についての推薦コメントをまとめた