日本学術会議の任命拒否問題で、またも菅義偉首相が不思議なことを言い出した。焦点の拒否の理由について、今度は「大学に偏りがあるから」との説明を始めたのだ。これはホントか? 実は、「『偏り』があるなら、それは自民党の教育政策が原因だ」との指摘もあるのだが……。【吉井理記/統合デジタル取材センター】 旧帝大の「既得権」? 菅首相の「新説」を振り返っておこう。 これまでも拒否の理由の説明を求められてきた菅首相、「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動を確保するため」とよく分からない説明を繰り返してきたが、現在の会員構成について10月26日に「結果的に一部の大学に偏っている」(出演したNHKの番組)と述べたのを皮切りに、「いわゆる旧帝国大学といわれる七つの国立大学(東京大、京都大、大阪大、東北大、名古屋大、九州大、北海道大)に所属する会員が45%を占めている。それ以外の173の国公立大学は合わせて17%。6