稲垣えみ子さんの書籍はほとんど読んでいます。 稲垣さんが一貫して取り組んでいるのは、「強くなる」ための生活実験です。 『魂の退社』では会社から離れることで、『寂しい生活』では家電から離れることで、『もうレシピ本はいらない!』ではレシピから離れることで。 それぞれどのように強くなっていけるか、あるいは結果としてどう強くなったかを綴っています。 そして今回の実験は「一人飲み」。 「男はつらいよ」の寅さんよろしく、一人飲みに憧れる稲垣さんは、一人飲みを実践していく中でまた強さを見出していきます。 ところで「強さ」とは何でしょう? 稲垣さんはいっかんして「ひとりで生きる強さ」を追い求めているように見えました。 ところが今回、一人飲みと言いつつも、他人が関わってくる。 捨てて、離れて、身軽になっていく方向性が多かった稲垣さんですが、今回は他人との間にどうやって自分の居場所を見つけるかに苦心しています