イチョウは一属一種しか存在しない、珍しい植物である。 ジュラ紀(1億5000万年前)には、イチョウの仲間はたくさんいたが、7000万年ほど前から急速に衰退し、そのほとんどが地球上から姿を消すことになった。 当時のイチョウの葉は、シダ植物みたいな細かい切れ込みがたくさんあり、現在のイチョウの葉とは、まったく異なった形をしていた。 またイチョウは精子を作る。 精子はシダ植物も作るため、特に珍しいものではないが、種子で増える植物に精子があるというのは極めて珍しいため、そのことが発表されたとき、世界中の植物学者たちが驚いた。 イチョウは中国では、葉の形がカモの足に似ていることから鴨脚子とも呼ばれており、鴨脚の発音「ヤーチャオ」がなまって「イチョウ」という発音になったのではないかと言われている(『大言海』による)。 またイチョウの学名は「Ginkgo biloba」というが、「Ginkyo」(銀杏)