2014年9月27日、11時52分に発生した木曽 御嶽山の噴火からもうすぐ10年を迎えます。 当時の自分はまだ登山を初めたばかりの頃で、丁度土曜出勤をしていた日の午後、職場で流れているラジオで噴火の一報を聞いたことを覚えています。紅葉シーズンが始まった人気の高山、晴れの週末、ロープウェイを経由して手軽に登れる山のお昼どきがどんな状況だったのか当時の自分にはあまりピンと来ていませんでしたが、今では容易に想像ができます。そのようなタイミングで発生したのが、死者58名、行方不明者5名という多大な犠牲者を出した御嶽山の噴火でした。 私は2018年に剣ヶ峰までの入山規制が緩和された際、御嶽山を訪れたのですが、その際のブログ記事を見て連絡をくれたのが本書の筆者で山岳ガイドの小川さゆりさんでした。噴火の当日、ガイド登山の下見として御嶽山を訪れ、剣ヶ峰山頂を通り過ぎてお鉢付近で噴火に遭遇した小川さんは、周