皆さんは覚えているだろうか。 昨年夏、チケットの高額転売に反対する意見広告を音楽団体が連盟で発表した。 それはツイッターなどで瞬く間に話題となり、賛成、苦言、様々な意見が飛び交った。 転売屋潰れろ。転売屋から買うな。でもダブってしまったチケットを、当たらなかった人に渡す正規の手段は? それに応えるような形で今年五月、音楽業界公認・公式チケットトレードリセール=チケトレがオープンした。 取引は定価でのみ。運営が取引を仲介する形を取り、チケット詐欺の心配はなく、何よりも「公認」だ。これ以上に安心できるシステムはないだろう。 残念ながら開設当時、私の手元にはトレードに出したいチケットも、そうまでして取りたい公演もなく、 意見広告が発表された時と同様、賛成、苦言の意見を「ふーん」と半分他人事のように眺めていた。 それから五ヶ月。私の手元には今、二枚のチケットがある。 今日が発券日で、ほんの一時間前