ウラシマソウには、50cm以上にも及ぶ長い釣り竿のような付属物が花の集合体の上部から突き出ています。この様子を浦島太郎が釣りをする様子に見立てたのが「浦島草」の名前の由来です。しかしウラシマソウを特徴づける「竿」の機能的意義は長年の間未解明のままでした。そこで、神戸大学大学院理学研究科の末次健司准教授、西垣宏紀氏 (大学院生) らの研究グループは、ウラシマソウの「竿」が花粉の運び手 (送粉者) の誘引にどのような影響を与えているのかを3年間に渡るフィールド実験によって検証しました。 ウラシマソウに特徴的な「竿」の切除実験から、「竿」は主要な送粉者と想定される特定のキノコバエ類に対してだけ誘引効果を発揮し、その他の昆虫は「竿」の影響を受けないことが分かりました。さらに、「竿」を切除すると、花が果実に成長する確率 (結果率) が有意に低下することも分かりました。つまりウラシマソウの「竿」は、主