●前衛、ということ ――今だとサヨクとかプロ市民とか、とにかく状況の変化について行けないオヤジ世代の思考回路の典型みたいに言われて、それがまたさっきから出ているように「団塊の世代」と直結されてくるわけですけど、これはまあ、いまの若い衆に特徴的なんですが、いまを生きている自分たちの〈いま・ここ〉と当時の団塊なら団塊がちょうど自分たちくらいの年代の頃との間に、具体的にどういう違いがあって、その中で生きていたということはどういう意識を持っていたんだ、ってことについての想像力をどう持ったらいいのか、それがいまひとつよくわかんないみたいですね。それはそういう意味で自分の見聞や体験から発した社会や歴史というパースペクティヴを、学校教育はもちろん、ジャーナリズムも含めたメディアとその環境がうまく持ってこれなかったツケでもあるんですが、そんな中でも特にインテリや知識人といった存在についての感覚が、もう本当