Mercure des Artsに投稿された「ガールズバンドクライ」に対する批評記事「仁菜は誰に中指を立てるべきだったのか――《ガールズバンドクライ》について」を読んだ。記事の筆者はnoirse氏。 私には批評の作法はわからないが、思うところがあって本批評の感想を書いてみたいと思う。 ●本批評の主旨本批評は「ガールズバンドクライ」(以下、「ガルクラ」)に「根本的な欠陥」があるとしており、それは ・アニメ制作陣の「男たち」が自分たちの好みや「反逆の神話」「敗者の美学」といったノスタルジックなロックのイメージを、若い女性キャラクターに投影し押し付けていること ・作品内では女性同士の対立が主に描かれることで、「男たち」に向かうべき仁菜の怒りの矛先が意図的にズラされていること だとしている。そして仁菜が中指を立てるべき真の相手がいるとすればそれは制作陣の「男たち」であり「仁菜が怒り泣き叫んでいるの