失言を英語でギャフ(gaffe)というが、ギャフマシン(失言機械)と呼ばれたのは米国のバイデン新大統領だ。黒人と中南米系移民の集会に出て、差別を否定するつもりの言葉が怒りを買ったこともある▲「貧しい家の子どもたちも白人の子どもたちと同じくらい賢く、才能がある」。明らかに白人優位の意識がにじみ出た言葉で、厳しい批判を浴びたのはいうまでもない。その失言癖がつまずきの石となる心配は今後も杞憂(きゆう)といえない▲こちらは日本を代表するギャフマシンで、在任当時も数々の失言で支持率を低落させた元首相だ。東京五輪組織委員会の森喜朗(もり・よしろう)会長が会議席上で述べた「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」発言が波紋を広げている▲女性は競争意識が高い、誰か一人が言うとみんな発言する――と決めつけた森会長である。加えて発言時間規制の話まで持ち出し、女性の意見軽視をあらわにした。語るに落ちるその