老舗オーディオメーカーのオンキヨーホームエンターテイメントが7月、AV機器事業をシャープと米音響機器メーカーの合弁会社に譲渡する見通しとなった。音楽市場がデジタル化したことへの対応に遅れ業績が悪化し、オンキヨーが平成27年に買収したかつての「オーディオ御三家」パイオニアのAV機器事業もまとめて手放さざるを得なかった。ともに高い音質で世界的に評価された国産オーディオブランド。その行方に注目が集まっている。 iPod登場が転機にオンキヨーは松下電器産業(現パナソニック)出身の故・五代武氏が、「大阪電気音響社」として昭和21年に創業した。音質を追求したオーディオ機器を手掛け、名門ブランドとして海外でも高い評価を受けてきた。 一方のパイオニアは特にスピーカーの評価が高く、かつて山水電気、トリオ(現JVCケンウッド)と合わせて国内の「オーディオ御三家」とされた。この3社は社名から「サン・トリ・パイ」