最近『ワンピース』や『NARUTO』といった漫画を原作とした新作歌舞伎が上演されています。 「あれ?歌舞伎どうしちゃったの?」「歌舞伎っぽくないね」という意見もありますが、実はこのような新たなものを取り入れる「活発な新陳代謝」こそ歌舞伎が400年にわたって生き残ってきた秘密なのです。 歌舞伎というと「格式が高そう」「難しそう」「昔ながらの伝統的なお芝居」というイメージがあります。 しかしTVもネットもスマホもなかった江戸時代、歌舞伎はドラマであり、ワイドショーであり、ニュースであり、ファッションショーでもありました。 人々は歌舞伎という芝居を通して、政治的スキャンダルといったニュースを知ったり(仮名手本忠臣蔵など)、実話に基づく恋愛ドラマ(曽根崎心中など)を楽しんだり、着物の柄や髪型といったトレンドをつかんだりしていたのです。 そもそも歌舞伎の語源となった「傾く」とは、時代の最先端にいた若