トルメンタ――現在、開催されている第100回全国高校サッカー選手権大会において、この言葉が話題を集めている。生み出したのは、14年ぶりのベスト4進出を決めた山口県代表の高川学園。その名を一躍、世間に、いや世界に知らしめたのが初戦の星稜戦でのセットプレーだった。 8分、右FKを獲得すると高川学園の5人の選手がペナルティーエリア内で手を繋いでグルグルと回り出した。輪を解いた瞬間、それぞれがゴール前に散らばると、MF北健志郎(3年)の左足から放たれたキックがファーサイドに飛び込んだMF林晴己(3年)のもとへ。林は強烈なヘディングシュートをゴールに叩き込んだ。 この得点シーンの映像はSNSで瞬く間に拡散され、「なんて斬新なセットプレーなんだ」「高川学園のサッカーは楽しそう」といったコメントで賑わった。 彼らはこのトリックプレーを“トルメンタ”と名付けている。スペイン語で「嵐」という意味。当初は“ト