2017年に個人宅の庭先の販売会でわずか30ドル(現在のレートで約3400円)で購入された16世紀の素描画。ドイツルネサンスの巨匠アルブレヒト・デューラーの手になるこの1枚が1000万ドル(約11億5000万円)を超える評価を受けている。 作品を保有する英ロンドンの競売会社アグニューズ・ギャラリーによると、1528年に死去したデューラーは当時のドイツで最も偉大な芸術家で、欧州ルネサンス全体を見渡しても有数の芸術家かつ知識人とみられている。 再発見された素描には「聖母子」の題名が付けられた。デューラーのキャリアや彼が残した作品は死後に徹底研究されてきたため、未知の作品が見つかるのは極めてまれ。アグニューズ・ギャラリーは声明で、この素描は「再発見されてからというもの、大きな関心を集めてきた」と述べている。 同ギャラリーのコンサルタントを務めるボストン在住の美術品収集家、クリフォード・ショーラー