遺骨の入った土器はカイロの南に位置するヌワイラートという村の岩で作られた墓の中から見つかった/Garstang Museum of Archaeology, University of Liverpool 祖先をたどれば チームは男性の歯根の先から複数の小さなサンプルを採取し、あごの骨に歯を固定している「セメント質」を調べた。セメント質はDNAの抽出に適した組織だと、ガードランド・フリンク博士は説明する。 抽出された七つのDNAのうち、保存状態の良い二つの塩基配列が解読できた。チームはこの情報を現代人3000人あまり、古代人805人のゲノムと比較した。 さらに男性の歯に含まれる同位体の比率を測定し、子ども時代の環境や食生活を推定。ナイル渓谷の高温で乾燥した気象環境や、小麦と大麦、動物性たんぱく質やエジプト産の植物を中心とした食生活が浮かび上がった。 だが男性のゲノムの20%は、時代をさらに