時に科学と自然が二項対立のように取り扱われることがあります。科学側にいる技術屋の一人としてはこのような対立構造はあまり望ましいと思っておらず、どうにか双方の調和を取れるような社会にしたいと考えています。 過剰な科学忌避は文明や先人の努力を否定しているものであり、それこそ祖霊といった超自然的なものを否定する自己矛盾を孕む危険があります。 過剰な自然忌避は自然や環境への尊崇の念を失ったものであり、それは『少なくとも今の時点では全てを説明できる理論体系ではない』科学に対する過信です。 何もゲーデルの不完全性定理を誤用して「科学では全てを説明できるわけではない」と言いたいわけではありませんし、自然こそが神であり文明は滅びるべきだと述べたいわけでもありません。科学こそが自然を支配するのだと戯けたことだって言いません。 これらはそれはそれで面白い話題ではありますが、本日は別の観点から見た科学の不完全性