かつてのプロレス界は「全日本プロレス」と「新日本プロレス」の2大団体が業界を統治し、両者の間には高くて厚い壁がそびえ立っていた。 だからこそ、ファンの想像力は育まれる。 授業中、ノートの端に“夢のカード”を書き込むのは、ちびっ子ファンの必須科目。皆が早熟なプロモーターとなり、脳内で興行を開催したものだ。うるさ型ファンへの第一歩である。 そしてこの夢想を、ある意味成し遂げてしまったファンがいる。それは、永遠の名作『キン肉マン』作者のゆでたまご(嶋田隆司&中井義則)。 2人が、何をどう成し遂げたのか? 例えば、同作と現実のプロレス界には、我々が思う以上にリンクする部分があるらしい。その辺、彼らによる新書『ゆでたまごのリアル超人伝説』に、しっかりと記されています。 そこら辺りを確認する前に、ゆでたまご自身が『キン肉マン』を“プロレス漫画”……と言うより一つの「興行」として捉えている事実を再認識し