キリスト教の100聖人 2024.07.09 公開 ポスト 十二使徒には補欠がいた!? ユダの後釜にくじで選ばれたマティア島田裕巳(作家、宗教学者) キリスト教の「聖人」たちを8つのパートに分けて列伝化した幻冬舎新書『キリスト教の100聖人』。歴史だけでなく教義や宗派の秘密まで教えてくれるこの画期的な一冊から、一部を抜粋してお届けします。 十二使徒とは? 新しく宗教が生まれるとき、最初の時点では、新たな教えを説きはじめた開祖、創唱者しか存在しない。だが、それをもって宗教の誕生と言えるかどうかは疑問である。開祖の説きはじめた教えを信じる者、つまりは信者が誕生しなければ、本当の意味で宗教が生まれたとは言えない。信者が生まれることで、それぞれの宗教は拡大していくきっかけを得ることができる。 その際に、どの宗教においても、弟子という存在は重要だ。儒教の『論語』は、孔子が弟子に語ったことばが中心にな