「定年延長に関する法解釈の変更は黒川氏のためと考えざるを得ない」 6月27日、情報開示をめぐる裁判で大阪地裁(徳地淳裁判長)は法務省が一個人のため恣意的に法律解釈を変更したと判示した。 法務行政を司る頭脳集団は、なぜこんなメチャクチャなことをやってしまったのか? 騒動の始まりから訴訟にいたる流れを振り返ってみる。(肩書きは当時のもの) 予算委員会で政府の説明が二転三転 野党から「閣内不一致」と批判されると、「法律解釈を変更した」と軌道修正したため、矢面に立つことになった森雅子法相。野党は「桜を見る会への捜査を防ぐため黒川氏を検事総長に押し込みたいのでは」と責め立てた(写真:つのだよしお/アフロ) 日本国内で初めて新型コロナウイルス感染症患者が見つかってから約2週間後の2020年1月31日、安倍政権は突然、黒川弘務東京高検検事長の勤務延長を閣議決定した。 当時の検察庁法は検事総長以外の検察官