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分析美学の検索結果1 - 19 件 / 19件

  • 美的価値論ビギナーズガイド - obakeweb

    美しい花、かわいい犬、優美なダンス、あざやかな絵画には美的価値[aesthetic value]がある。美的価値を持ったアイテムは、ある独特な仕方での良いものであり、私たちが気にかけるものである。生活における多くの場面で、私たちは美的なものに配慮している。賃貸の部屋を選ぶときには、家賃やエリアだけでなく、建物の外観は洗練されているか、共用部はきれいか、壁紙はシックか、押入れは古臭くないか、部屋に目障りな出っ張りがないかを気にかける。美しさや醜さは、必ずしも最優先事項ではないにせよ、私たちの選択にとって重要な考慮事項のひとつである。 美学[aesthetics]というのはその他の判断や態度や経験とは区別される、美的判断・美的態度・美的経験などをターゲットとして、その本性を哲学的に探る分野だが、美的価値はそのなかでも近年とりわけ注目されている主題である。言ってしまえば、これは古代ギリシアから続

      美的価値論ビギナーズガイド - obakeweb
    • 哲学を専門としない人のための哲学入門書ブックガイド - Lichtung

      はじめに 哲学を専門としない人が哲学に関心が出てきたときに何を読むとよいだろうか。世には「入門書」と題されている本はあまたあるけれど、ぜんぜん入門書ではないケースも多いし、あんまり頼りにならない入門書も少なくない。 私は哲学を専門としている(とりわけ分析美学)。他の学問の専門家の人や実務家、アーティストと話す機会があったりするが「哲学ってよくわからないなあ」という感想をもらうと、「なかなか役に立ちますよ」と言いながら紹介したりしている本を紹介することにしよう。 勧めたい本は無数にあるが、えいやで各分野1冊にした。 おすすめブックリスト すごく抽象的なことが気になる人→『ワードマップ 現代形而上学』新曜社 ▶関心に合わせてトピックごとにつまみ読みがおすすめ。 ワードマップ現代形而上学ー分析哲学が問う、人・因果・存在の謎 作者:秋葉 剛史,倉田 剛,鈴木 生郎,谷川 卓 新曜社 Amazon

        哲学を専門としない人のための哲学入門書ブックガイド - Lichtung
      • 山野弘樹『VTuberの哲学』(2024、春秋社)書評*機能についての不明点と研究態度へのコメント - Lichtung

        山野弘樹『VTuberの哲学』(2024、春秋社)は、「本書は、今日のVTuber文化の中で活躍するVTuberの典型的な特徴を抽出し、その特徴をある統一的な観点から体系的に解釈することを試みる著作であ」り(i)、その目論見に従って、全5章にわたりバーチャルYouTuberというアバターをまとった配信者文化についての研究を行うものだ。 本書評は、山野の議論の中核をなすVTuberの定義と、山野の研究態度についての批判を行う。 山野弘樹『VTuberの哲学』(2024、春秋社) https://amzn.to/4aorG8R 「彼女/彼/彼らをVTuberとする!」と私たちは宣言しているのだろうか? 山野は、VTuberをこう定義している。 我々は、「VTuberとしてデビューし、VTuberとして活動状態にあるという条件を満たす任意の配信者が、VTuber文化において「VTuber」という

          山野弘樹『VTuberの哲学』(2024、春秋社)書評*機能についての不明点と研究態度へのコメント - Lichtung
        • チャーマーズ「概念工学を概念分析し、概念工学する」の要約 - netenete.

          []はぼくによる補足です。 「」は引用ではありません。 太字は原文を反映したものではありません。 David J. Chalmersによるメタ哲学の論文What is Conceptual Engineering and What Should It Be?の要約です。エントリー名の邦題はだいぶ意訳しました。Chalmersは日本では「拡張された心」概念や邦訳書『バッド・ランゲージ 悪い言葉の哲学入門』(未読)で有名な人。 以下、アブストの訳の後から要約。 概念工学は概念の設計・実行・評価である。概念工学には、新概念工学(de novo conceptual engineering)、概念再工学(conceptual re-engineering)が含まれる、あるいは含まれるべきである。また、概念工学には異名概念工学(heteronymous conceptual engineering)

            チャーマーズ「概念工学を概念分析し、概念工学する」の要約 - netenete.
          • 一橋図書館を育ててみた(前編) - #EBF6F7

            ある人は言った。 大学図書館は育てるものだ。 僕が現在所属している一橋大学をはじめ、多くの大学図書館では、学生が図書購入申し込みを行うことができる。 もしあなたが大学生なら、そうして図書館に本を入れることで、図書館を育てることができるだろう。 図書館にどのような本が収蔵されているかは大学ごとに異なる。 一橋大学の場合、人文系の書籍は比較的少ない(人文系の学部が存在しないからだ)。 そこで、人文系の本を図書館に入れることで、その偏りを小さくし、同輩や後輩の役に立つことができる。 その意味で、図書館を育てることは共同体を育てることに他ならない。 というわけで、自分の研究に加えて、自分が属する共同体への貢献にもなると思って、積極的に育てていきたいところだ。 今回は、自分が博士課程のうちに図書館に入れた本をまとめ、図書館をどう育てたかを振り返ってみたい。 これまで三年間図書購入申し込みしてきたため

              一橋図書館を育ててみた(前編) - #EBF6F7
            • hasaqui連載 第一回日本の黎明期コンピュータアートを再考する | MASSAGE MAGAZINE マッサージマガジン

              この連載では、まだ歴史の精査が十分になされていない日本における黎明期のコンピュータアートの荒野を逍遥し、新たな小道を切り拓くことを目指している。そのためには、コンピュータアートのパイオニアたちの足跡を横断的に確認する必要がある。日本におけるパイオニアは、美学者であり1964年の春に日本で最初のコンピュータによる画像を制作した川野洋、66年に結成しプロッターによるコンピュータアートやインタラクティブアート作品を制作したCTG(Computer Technique Group)1、67年に日本で初めてコンピュータによるアニメーションを制作したSARASVATI2、73年に樹木構造を生成するプログラムを実現した出原栄一といったアーティストたちである。「黎明期」は主に60年代から70年代前半を想定しているが、適宜それ以降の事象についても取り上げるつもりである。 加えて、いくつかの観点から黎明期のコ

                hasaqui連載 第一回日本の黎明期コンピュータアートを再考する | MASSAGE MAGAZINE マッサージマガジン
              • 「行為」は美学にとって真っ当な主題と言えるのか - obakeweb

                7月27日土曜日に大妻女子大学で、「美と行為」をテーマにした公開ワークショップに登壇します。 6月はじめの勉強会で、「美的行為論の論文を書いている」と森さんにお話したところ、5人も登壇者が集まり、難波さんにおしゃれポスターを用意していただき、あれよあれよと大規模なワークショップに発展しました。ありがとうございます、とても楽しみです。 自分は「美しくする、美しくやる:なにが行為を美的行為にするのか」と題して話す予定です。要旨はこんな感じ。(他の方の要旨は上の森さんのブログにあります。) なにが行為一般から美的行為を線引きするのか。本発表は、美的なものと形式の概念を結びつける古典的見解に基づき、美的行為を特徴づける。(1)行為の対象、(2)感性の行使、(3)美的評価からの動機づけが、いずれも美的行為をうまく線引きできないことは、興味深く、独特な仕方で美的と言える行為などないことを示しているよう

                  「行為」は美学にとって真っ当な主題と言えるのか - obakeweb
                • ディッキー「芸術とはなにか」の要約——分析美学基本論文集② - netenete.

                  凡例:「」内は引用や論文タイトルなど、〈〉内はぼくによる強調。引用に際しては文脈に合うように断りなく改訳することがあります。また、引用ページは面倒なので明記しません。 ジョージ・ディッキー「芸術とはなにか——制度的分析」今井晋訳(西村清和編『分析美学基本論文集』所収)を要約する。芸術の定義論の古典であり、芸術の定義は不可能だとする論に反対して芸術の〈制度的定義〉をおこなったことで有名。ひとことで要旨をいうならば〈芸術とは、人工物であり、かつアートワールドの人間に鑑賞の候補だと認められたものである〉となるのだが、これだけではわけがわからないのでさっそく本題に。 論文の構成は以下。まず美学者モリス・ワイツの〈定義は不可能である〉という主張に反対し、芸術の定義が可能であることを示す。それからじっさいに芸術の定義を打ち出し、最後にまたワイツを批判して終わり。 ワイツ論文の紹介と批判 芸術の定義 ふ

                    ディッキー「芸術とはなにか」の要約——分析美学基本論文集② - netenete.
                  • ディッキーの「アートワールド」について|obakeweb

                    いわゆる芸術の制度説(制度的定義)の提唱者として挙げられがちなアーサー・C・ダントーとジョージ・ディッキーのうち、ダントーのほうは明確に誤読で、本人が公式に否定している。「制度」をどう理解するにせよ、ダントーは芸術制度の存在を持ち出して、芸術作品であるという地位を説明したわけではない。ダントーの立場については最近高田さんが改めてまとめてくださったので、そちらを参照。 そういえばディッキーの制度説について読み漁っていた時期があり、分かったことのいくつかは日記にポツポツ書いていたのだが、この機にまとめてみようと思う。要点だけ先に述べるならば、しばしば誤ってダントーに帰属される「アートワールド論」、すなわち〈あるものが芸術作品かどうかはアートワールド=美術界隈のみんなで決めている〉という見解は、ディッキーのものですらない。そういう考えを「制度説」に期待するならば、ダントーどころかディッキーも「制

                      ディッキーの「アートワールド」について|obakeweb
                    • 『文フリと批評』(文学フリマ東京39) - logical cypher scape2

                      2024年12月1日に開催された、文学フリマ東京39に行ってきた。 文学フリマ初のビッグサイト開催であるが、それを理由に行ったわけではない。 ここ数年文フリからはご無沙汰で、今回も当初は行く予定がなかった。TLから、近く文フリがあるのだなあとは思ったが、いつやるのかもそれほど把握していなかった。 ところが、前日の夜、急に塚田君から「明日、文フリに行く」旨のメッセージが入っていたのである。実のところ、そのメッセージを読んだ時でさえ、そんな急に言われてもなあ、という感じだったのだが、10年近く会っていなかったことを思うと、このチャンスを逃すとまた当分会えないのでは、ということで行くことにしたのである。 全然行くつもりのなかった文学フリマとはいえ、いざ行くとなれば、寄りたいところは色々とあがってくるもので、それでも回|れたのは最低限の範囲でしないのだが、いくつか買った本があるので、感想をボチボチ

                        『文フリと批評』(文学フリマ東京39) - logical cypher scape2
                      • 批評を書くための哲学的ガイド──「目的・理由・推論」から考える - Lichtung

                        「批評」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべるだろう。「これは優れている」「あれは退屈だ」など作品のよしあしを論じる活動、批評家の知識や視点に基づく丁寧な作品解説、その書き手の強烈な個性に満ちた感想文のようなもの……。 批評と呼ばれる営みには様々な形がある。「批評とは何か」を正面から問おうとすると、私たちは一つの方向に進みがちだ。それはたった一つの自分が重要だと思っている批評概念に基づいて他の批評を無視する方向。 しかし、こちらには進まないでおこう。なぜなら、こちらは批評の多元性を無視する道だからだ。「批評」という言葉を占有し、占領しようとする試みに近づいていくからだ。 別の道を進みたい。批評とはどのような目的を持ち、何を理由として、どのような推論(論の組み立てや伝え方)を行っているのかという観点から整理してみると、複雑に見える批評の姿がクリアに見えてくる。 本稿では、私の論文「批評の新し

                          批評を書くための哲学的ガイド──「目的・理由・推論」から考える - Lichtung
                        • ダントーの「アートワールド」について - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

                          ダントーの「アートワールド」は芸術制度のことではないというのを、人に説明しようと思って、ダントーのテキストについてまとめていた。 実際ダントーの立場を説明しようと思うと、いろいろ大変なのだが、ダントーの「アートワールド」が制度ではないというのは、簡単に言える。本人が『ありふれたものの変容』の序文で否定しているからだ。そこで、ダントーは「アートワールド」という論文から芸術の制度説という立場が生まれたことについて、以下のようにコメントしている。 ありふれたものの変容:芸術の哲学 作者:アーサー・C・ダントー,Arthur C. Danto慶應義塾大学出版会Amazon くわえて、「アートワールド」の分析の土台のうえに、芸術の制度説と呼ばれるものを打ち立てた人びとにも感謝している。たとえその説自体は私の考えとかけ離れたものであろうとも。viii ダントーによれば、人々は「アートワールド」論文を元

                            ダントーの「アートワールド」について - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
                          • レヴィンソン「仮説的意図主義」の要約——解釈の哲学 - netenete.

                            厳密なアカデミック・ライティングの作法(書誌情報とか)はけっこうサボっています。わかればよいスタイル。 ジェロルド・レヴィンソン「仮説的意図主義:主張、反論、応答」(Jerrold Levinson. Hypothetical Intentionalism: Statement, Objections, and Replies)を要約する。 が、そのまえに仮説的意図主義なるものをざっくり解説しておこう*1。なお、レヴィンソンの考察の対象は、一部を除いてもっぱら文学作品である。従って、本エントリーで「作品」という場合は文学作品を指すと思ってほしい。 文学テクストの意味を決定するのは何だろうか。まず思い浮かぶのは、①作者の意図が意味を決める、という考え。この考えによると、ある意味の不明瞭なテクストがあったとき、諸々の推論を通して「作者はこう意図してこの表現にしたはずだ」と答えを出せる。逆に見当

                              レヴィンソン「仮説的意図主義」の要約——解釈の哲学 - netenete.
                            • 川野洋さん――村八分を乗り越えた飄然たる大人(たいじん) | スヴニール とりどりの肖像  佐々木健一

                              人工知能の開発が大きく進展し、その活用がさまざまな分野で広がりつつあるいま、川野さんの仕事に関心をもつひとも増えているのではないか。少なくともわたしの場合、その意義がようやく見えてきたところだ。しかし、いま川野さんの思想に共鳴している人びとのなかでも、あの事件のことを知るひとはごくわずかだろう。客観的に見ると、川野さんの学問人生はその傷跡を留めていないように見える。しかし、ご当人にとっては釈然としないままの痛恨事だったと思う。また、川野さんが幅広く展開した美学や哲学を理解するためにも、その次第を考え合わせることが役立つかもしれない。だから、先ずはそこに焦点を置いて、この肖像を始めることにしたい。 1967(昭和42)年5月、川野さんは東大出版会から『美学』という一書を公刊された。ときに著者は42歳、単行本としては処女作で、野心的な企てだったと思う。野心的というのはそれが教科書として書かれた

                                川野洋さん――村八分を乗り越えた飄然たる大人(たいじん) | スヴニール とりどりの肖像  佐々木健一
                              • デイヴィス「芸術の存在論」の要約 - netenete.

                                ページ数表記をしていない「」内は引用ではありません。[]内はぼくによる解釈や補足あるいは疑問です。 Stephen Davies「芸術の存在論」(原文)を要約する。英語圏の美学の教科書に収録されている、芸術の存在論入門にちょうどよさそうなテクスト。 まず芸術の存在論ってなんですかという話だが、これは美学者の森功次がわかりやすくまとめてくださっている。曰く、 ここで言われる存在論とは、世界に存在する各存在者はどのような基準で分類され、どのような枠組みで整理されるべきか、といった学問です。 芸術作品についてそういう考察を行った場合、文学作品、音楽作品、彫刻作品などの個々の作品はいつ同じで、いつ始まり、いつ終わるのか、といったことが問題になります。この分野の一つの目標は、各芸術作品の存在条件(どういう条件がそろったら作品は存在するのか)、持続条件(どういう条件がそろったら作品は存在し始め、どうい

                                  デイヴィス「芸術の存在論」の要約 - netenete.
                                • 紀伊國屋書店新宿本店ブックフェア「スタンリー・カヴェルからはじめる書棚散策」(2024年8月9日~9月30日)

                                  このページは、スタンリー・カヴェル『理性の呼び声』・『フィルカル Vol. 9, No. 1』 の刊行を記念して開催するブックフェア 「スタンリー・カヴェルからはじめる書棚散策」 をご紹介するために、WEBサイト socio-logic.jp の中に開設するものです。 本ブックフェアは、2024年8-9月に、紀伊國屋書店 新宿本店三階にて開催されます。フェア開催中、店舗では 選書者たちによる解説を掲載した20頁のブックレットを配布しますが、このWEBページには その内容を収録していきます。 なお、過去にも本フェアと同趣旨のブックフェアを開催しています。そちらの紹介ページもご覧いただければ幸いです: 実践学探訪: 概念分析の社会学 ( エスノメソドロジー ) からはじめる書棚散策(2014) 社会のブックガイド:ルーマンからはじめる書棚散策(2015) 分析美学は加速する:美と芸術の哲学を駆

                                    紀伊國屋書店新宿本店ブックフェア「スタンリー・カヴェルからはじめる書棚散策」(2024年8月9日~9月30日)
                                  • ゲームの「不便さが楽しい」を考える - ビデオゲームとイリンクスのほとり

                                    よくゲームにおいて「不便であることが楽しい」と言われることがある。それは、どのような場面で言われるかと言うと、次のような感想に対する反論として語られる場面をよく見る。 このゲームの"この要素"が、不便で楽しくない 「この要素」という部分には様々なものが代入される。例えばよくあるものだと「荷物の重量制限」などが入るだろう*1。RPGというジャンルでは、主人公が持てる荷物の重量には上限が設けられている作品がある*2。一方で、ゲームによっては、重量制限がないゲームも多い。主人公のポケットやリュックに到底入りきらない量のアイテムを入れられる作品も結構ある*3。そういう作品と比べてしまうと、「重量制限」は不便な要素と感じるだろう。 こうした感想や評価を「不便否定言説」と仮に呼ぶこととしよう(略して、否定言説)。 そして、最初に掲げた「不便が楽しい」という言説は、否定言説に対する反論として語られる。こ

                                      ゲームの「不便さが楽しい」を考える - ビデオゲームとイリンクスのほとり
                                    • 動物の美学入門:自然、動物園、水族館 - Lichtung

                                      はじめに 私たちは日々、動物たちを美的に鑑賞している。 鳩がホームにいる。首を前後に振りながら軽快に歩き、素早く地面に頭を下げては何かをついばんでいる。「そこに食べるものなどあるのだろうか?」と私たちをしていぶかしめる。 病院の待合室に水槽がある。小さな熱帯魚が泳いでいる。舞台衣装のように鮮やかな赤い線や青い線が引かれた身体が水の中を動く。 「動物の美学」という分野は、おそらくはまだ十分には発達していないが、近年環境美学者を中心に論じられ始めている。ここでは、私が勉強の途中で出会った動物の美学の諸文献についてかんたんにまとめておく。動物の美学に関心のある人の参考になればよいと思う。 まずはこれ 青田麻未. (2019). 動物の美的価値: 擬人化と人間中心主義の関係から. 『美学藝術学研究』37, 1-29. これ一つを読めば動物の美学の全体像がつかめるだろう。 https://repos

                                        動物の美学入門:自然、動物園、水族館 - Lichtung
                                      • M. Green「フィクションと認識的価値」(2022)論文紹介 - 夏ふようのメモ

                                        Mitchell Green, Fiction and Epistemic Value: State of the Art, The British Journal of Aesthetics, Volume 62, Issue 2, April 2022, Pages 273-289, https://doi.org/10.1093/aesthj/ayac005 論文について アブストラクト(訳) 1.イントロダクション 2.認知主義、新認知主義、そして補助的概念 二つの図式的[schematic]テーゼ 3.語ることと示すこと 4.(新)認知主義の変種 証言[testimony] 寓意[allegory] 例解的実演[illustrative demonstration] 共感的知識/理解 思考実験 概念的革新[conceptual innovation] 自己知識/理解 5.(新)認

                                          M. Green「フィクションと認識的価値」(2022)論文紹介 - 夏ふようのメモ
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