ウィシュマさん死亡後に名古屋入管に常勤医師として勤務することになった医師のドキュメンタリー。この医師の着任によって名古屋入管の医療体制が改善されはじめているかのような印象を与える演出になっている。 しかし、ウィシュマさんはじめ入管での死亡事件の原因は「医療体制の不備」などではない。この番組に出てくる医師(間渕測文医師)は、ウィシュマさんの死亡を「医療事故」とか「事案」と言っているが、それは、「事故」や「事案」ではない。意図的な医療放置であり、殺人事件である。 間渕医師は、着任後、救急車が来てから病院に着くまでの間に最低限の救急救命治療ができるような医療資材や薬品を入管に準備させたという。これをもって医療体制の改善だというのだろうか。しかしそもそも入管は、危険な状態になった被収容者のために救急車を呼ばないどころか、支援者が呼んだ救急車を門前で追い返すということを何度もやっている。救急車が来た