1953年の秋にガス・ウィルディによって設立され、64年に活動を停止するまでの11年間、延べ200枚以上のアルバムをリリース。ニューヨークを拠点に、西海岸にもオフィスを構え、イーストコーストとウエストコースト両方で数々の傑作を残し、独立系ジャズ・レーベルの先駆けとなった「ベツレヘム・レコード」。 クリス・コナー『バードランドの子守唄』、マル・ウォルドロン『レフト・アローン』、ニーナ・シモン『リトル・ガール・ブルー』など、今昔日本でも人気の高い名作たちが、久しぶりに国内盤で復刻。2012年12月の[第1期] に続いて、今回の[第2期] では、世界初CD化を多数含む、ベツレヘムを知る上で避けては通れない重要タイトルがズラリ! 「ベツレヘム」という名前を初めて聞いた、あるいは知っていてもなかなか踏み込んで聴く機会がなかった・・・という方のために、このたび復刻の監修・解説を手掛けられた、元ジャズ批
Don Fagerquist。 素晴らしいトランペッターである。けっして即興演奏家タイプではないけれど、マッシヴ、ブライト、ブラッシー(プロレスラーではない)などなど、知ってる限りの英単語を並べて吠えたいぐらい、彼のトランペットは輝かしい。ルイ・アームストロングやヘンリー・レッド・アレンなどの、いかにも肉声を楽器に転化させたようなプレイの後に聴くと、さらに喉ごし(耳ごし)がいい。“ああ、今オレはブラスを聴いているんだ”という気分で満たしてくれるのだ。 Don Fagerquist。 一体、なんと読むのだろう。いちおう“ドン・ファガーキスト”という仮名書きが定着しているが、見れば見るほど怪しい。フェイジャクィスト、あたりがいちばん近いカタカナ表記になるのかもしれないが、確証は持てない。いちばんの近道は彼と同姓のひとに発音を尋ねるか、もしくは彼と共演経験のあるミュージシャンに音読してもらうしか
ジャズ+青春=「坂道のアポロン」。このコミックを心からお勧めするぜ 「俺、ドラムやってるんだ」 「どんなドラマーが好き?」 「アート・ブレイキーかな」 「ジャズ・メッセンジャーズね? 私も大好き」 こんな感じのセリフが出てくるコミックがある。 タイトルは「坂道のアポロン」。小学館の月刊誌「月刊flowers」に掲載されている。作者は小玉ユキ。繊細でポップな絵を描く。 などと偉そうに説明している僕ではあるが、不覚にして最近までこの作品を知らなかった。おかげさまで大好評の書籍「ディスク・ガイド ジャズ・ピアノ」(シンコーミュージック・エンターテイメント)、その1回目の打ち合わせのときに、担当編集者から教えてもらったのだ。 僕は小学校3年生のときに「マカロニほうれん荘」に魅了されて「週刊少年チャンピオン」を買うようになり、小学校高学年では「コロコロコミック」にも没頭したし、中学時代は「週刊少年ジ
ジャズと映画は昔から仲良しです。 いわゆるトーキー映画(発声映画)の第一号からして、『ザ・ジャズ・シンガー』というタイトルなのです。全米公開は1927… Read More
1953年の秋にガス・ウィルディによって設立され、64年に活動を停止するまでの11年間、延べ200枚以上のアルバムをリリース。ニューヨークを拠点に、西海岸にもオフィスを構え、イーストコーストとウエストコースト両方で数々の傑作を残し、独立系ジャズ・レーベルの先駆けとなった「ベツレヘム・レコード」。 昨年12月にスタートした「ベツレヘム・オリジナル・アルバムズ・ストレイト・リイシュー・シリーズ」もいよいよ佳境。ピート・ブラウン、エディー・シュー、ハロルド・アウズリー、ミルト・バックナー、エディ・ロックジョー・デイヴィス、フランク・ミニオンなど世界初CD化作品を多数含む[第2期] に続いて、[第3期] は本命タイトルざっくざく! ベツレヘム流ダジャレのこころに胸ときめかせる、復刻の監修・解説を手掛けられた音楽ライター 原田和典さんインタビューのつづきをどうぞ! インタビュー/文・構成:小浜文晶
寒くなるとカイロ代わりに聴き入ってしまう音。僕にとってその筆頭格はラッキー・トンプソンのテナー・サックスだ。凝りをそっとほぐしてくれるようなサウンド、鼻歌のごとき自然なフレーズづくり、気負ったところがまったくない“なで肩”の音楽。トンプソンの響きに浸ると、すべての毛穴がゆっくりと開き、大きく呼吸しているような気分になる。とくに1956年吹き込みのABCパラマウント録音には何度となく手が伸びる。 これがオリジナル盤LP、ABC111番『ラッキー・トンプソン』と171番『ラッキー・トンプソン・フィーチャリング・オスカー・ペティフォードvol.2』であればどんなにいいかと思うのだが、僕が持っているのはその2枚をカップリングした『トリコティズム』という93年発売のCDだ。トンプソンの柔らかなテナー・サックス、スキーター・ベストの軽やかなギター、ペティフォードの寡黙なベースが寄り添うように、最小限の
アメリカ最長の歴史を持つジャズ雑誌「ダウンビート」の「国際批評家投票」メンバー。『モダン・ジャズ』、『コテコテ・サウンド・マシーン』著者。
原田和典のJAZZ徒然草 - ARCHIVES ※1~40回まではmusicFieldで連載されていました。 41回~ diskunion.netで連載中!→ 原田和典のJAZZ徒然草 >>
ハイレゾも好評配信中のMISIA初のSoul Jazzアルバム『MISIA SOUL JAZZ SESSION』。 ライターの原田和典さんから、参加プレイヤー陣に注目した、より深く作品を楽しむためのテキストが到着しました! NEW RELEASE 『MISIA SOUL JAZZ SESSION』 ハイレゾ 通常音源 夏フェス真っ盛りの今日このごろ、いかがお過ごしでしょうか。 ここ数年の夏の壮絶な熱気と湿気に対しては、どこかの神様が人間どもを思いっきりサディスティックな「適者生存」にかけようとしているのではないか、と思うことすらありますが、それでも、すくなくともぼくは、夏が好きだし楽しみにしています。その理由のひとつは、もちろんいうまでもなく夏フェスの存在です。おなじみのアーティストの聴き慣れたナンバーを灼熱の下でみんなとワイワイ楽しむことも良い、しかし誰もが夢見たことのあるであろうコラボ
~今月の一枚~ Original Dixieland Jazz Band 『1917-36』 試聴・購入はこちら あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 いきなりですが、ここでクイズです。世界最初のジャズ・レコードを吹き込んだのは誰でしょう? 昭和期までに出た大抵のジャズ歴史本には、こう書いてあると思います。“1917年2月26日、オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンド(ODJB)が「リヴァリー・ステイブル・ブルース」と「ディキシー・ジャズ・バンド・ワン・ステップ」を録音した。この2曲をカップリングした同年5月発売の78回転レコードこそが、史上最初のジャズ作品である”。 何をもってジャズと定義するのかは人それぞれでしょうが、ぼくはかねがね、この説はマユツバものだと思っていました。そして、自分が編集長を務めていたジャズ雑誌で、ジャズの全歴史を振り返る特集を計5
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