大阪市のヘイトスピーチ(憎悪表現)抑止条例が表現の自由を保障した憲法に反するとして、市民8人が、制定時の市長に対して関連費用約115万円の返還請求を行うよう市側に求めた住民訴訟の判決が17日、大阪地裁であった。三輪方大(まさひろ)裁判長は「条例の目的は正当で、表現の自由の制限は合理的で必要やむを得ない限度にとどまる」として合憲と判断、訴えを退けた。 ヘイトスピーチ規制の是非を巡る司法判断は初めて。原告側は控訴する方針。 2016年7月に施行された市条例では、有識者による審査会を経たうえで、市がヘイトスピーチに当たると認定すれば、発信者の名前などを公表できる。 三輪裁判長は、氏名公表などの拡散防止策は「表現の自由を制限する側面がある」と指摘。一方で、条例の目的は、特定の民族などへの差別感情を増幅させることを抑え、暴力行為を抑止することにあるとして「制限は、公共の福祉に照らすとやむを得ず、容認