ブームと言われてきた「日本ワイン」が一転、危機に直面している。生産者の急増と需要の頭打ちによる需給バランスの崩れに、若い世代のアルコール離れ、ブドウ栽培農家の高齢化が追い打ちをかける。醸造所の閉鎖を余儀なくされる生産者が出てくるなど、淘汰の時代が始まる気配も出てきた。産地や個々の生産者は危機をどう乗り越えようとしているのか。最大産地の山梨を訪ねた。 「衝撃的なニュース」サッポロビールは7月10日、国内の2つのワイン製造拠点のうち山梨県甲州市のグランポレール勝沼ワイナリーを来年5月までに閉鎖すると発表した。同時に、所有する3つのブドウ園のうち長野市の長野古里ぶどう園を来年5月までに閉園することも明らかにした。「グループ中期経営計画に基づく将来を見据えた最適な製造体制の構築と経営資源集中のため」と同社は説明。勝沼ワイナリーの事業は岡山県に所有する岡山ワイナリーが引き継ぐ。 発表から3日後の13