ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザ情勢…。世界では国際紛争や戦争犯罪が疑われるケースが後を絶ちません。こうした中、未曽有の人的被害を出した20世紀の世界大戦を教訓に、力ではなく法に基づいて裁く試みが進められています。オランダ・ハーグにある二つの国際裁判所の日本人裁判官2人に聞きました。(共同通信パリ支局長 田中寛) 【赤根智子・国際刑事裁判所裁判官】 国際刑事裁判所(ICC)は戦争犯罪や人道に対する罪など、とてつもなく大きく悲惨な犯罪と闘うために設立されました。発足してからまだ約20年ですが、少しずつ成果を上げてきています。その目的を達成するためには一つずつ成果を上げること。手続きにのっとった捜査と訴追で責任を追及していく作業を繰り返すことが重要です。そうすることで、ICCがあるがゆえに犯罪が抑止されるということにもつながるのです。 大きな戦争犯罪があった時、それを事件として処理