「目が合いたまえ」という願いは、前席だけの特権。だから、前席でないライブで目がうんたらなんて、ふつうは考えない。 期待しなければ、失望しない(©スパイダーマン)から。 そうして期待せず観ていたら、客席に降りてきたケイタナカ氏が、会場を歩きまわるという事態が発生した。 火ぃついちゃう 期待なんかぜんぜんしてなかったのに、相手がすぐそばに来ると思うと、自分でもびっくりするくらいドキドキして、手が震えた。 人間みたいな顔をして生きていても、反応は猿となんら変わらない。手汗がすごい。背汗も。目を合わせたい欲望が、腹をつきやぶって出てきそう。 そんなの、そりゃ火ぃついちゃうでしょ! (©黒澤武蔵) うすうす勘づいてると思うけど、目なんか合わなかった。 合わなかったっていうか、直前でくるっと背中になった。で、そのまま行っちゃった。 中途半端に上げていた両手を、わたしはおろした。さみしいとかむなしいとい