各球団を戦力外となり、NPBへの“再仕官”を目指す舞台である12球団トライアウト。2022年はどんな風景だったか。現地取材で人間模様を追った(全2回の1回目/#2も) JR仙台駅から「楽天生命パーク宮城」までは「宮城野通」という一本道が通っている。駅から歩けば30分近くかかるが、美しい行木路で、沿道にはイーグルスのクリムゾンレッドの小旗がはためいていて、愛称はイーグルロード(厳密には駅から600mの地点までだが)。筆者はこの道を歩くのが大好きだ。球場のゲートが見えてくると、わくわく感が高まる。 しかし11月8日の朝「12球団合同トライアウト」に参加する選手には、その楽しさを感じる余裕はなかっただろう。 そもそもプロ野球選手は、バスをスタジアムに横付けして球場入りする。用具はマネージャーが別途運び、ロッカールームに入れば洗濯され、綺麗に折りたたまれたユニフォームが置かれている。 しかしこの日