声優になることを夢見て、専門学校や養成所などの門を叩く若者の数は、年間2万人とも3万人ともいわれている。しかしそのうち実際にデビューすることができるのはわずか数パーセントであり、長年の下積み生活に疲弊して、業界を去る人がほとんどである。 それほど厳しい声優業界において、30歳を目前にして主人公デビューを果たした声優がいる。『Re:ゼロから始める異世界生活』のナツキ・スバル、『Dr.STONE』の千空など、多くの人気アニメで主人公を演じる小林裕介である。 一度は会社員として働きつつも、夢を諦められずに脱サラを決意。事務所に所属はできたが、オーディションを受けても箸にも棒にもかからず、バイトに明け暮れる日々が続いた。4年間の下積み生活のなかで、アニメ出演はモブキャラの一言のみだったという。 だから小林は断言する。「安易にオススメできる職業ではない」と。 このインタビューを声優志望の人に、いや、