飲食料品の安全性に国民の厳しい目が向けられている。3月に発覚した小林製薬の「紅麹」サプリメントによる健康被害に加え、発がん性などが指摘される有機フッ素化合物「PFAS」による飲み水の汚染が各地で明らかになった。しかし、これらの問題は氷山の一角だ。 【表】製パン大手3社のトランス脂肪酸が含まれている204商品一覧 今やコメと並ぶ“日本人の主食”になったパンには、「人体に有害」として世界各国が規制に動いた成分「トランス脂肪酸」が含まれたまま、パッケージに表示されることもなく売られている。 週刊ポストはこの実態を独自調査。製パン大手が発売する「トランス脂肪酸」を含む食パン&菓子パン全204商品をリスト化した。【前後編の前編。後編を読む】 指摘される健康への悪影響 欧米諸国に比べて日本の食品安全規制は遅れが目立つ──そんな実態を明かすのは、米ボストン在住の大西睦子医師(内科医)だ。 「たとえばWH