多数派が正しいとは限らない「思想の自由市場」論の考え方を簡単にまとめると、以下のようになる:ある物事についての事実とはなにかを知ったり、なんらかの論点についての妥当な解答とはどういうものであるかを理解したりするためには、どんな意見でも発表できて、異なる意見を持つ者同士が議論できる場所が不可欠である。 わたしたちが真理にたどり着くためには、対立する意見をぶつかり合わせることで、より真理に近い意見はどちらかということを判断する必要がある。したがって、どんな意見を持つ人であっても、議論の場から排除することはできない。そうすればするほど、わたしたちは真理から遠ざかってしまうためである。 ある人が持つ意見や少数派の意見を多数派が「間違っているはずだ」と判断して、議論の俎上に載せもせずに排除することには、様々な危険が含まれる。そもそも、多数派の判断のほうが誤りであって、少数派の意見のほうが真理であるか