20日、東京・築地。異例の大量立候補で届け出の手続きが長引き、予定より40分遅れで都知事選の候補者らの演説が始まった。法政大2年の新妻和樹さん(19)は「こんな影響もあるんですね」と驚いた。「選挙妨害の動画でネットの閲覧数を稼いだり、ポスターの掲示板を使って寄付金を集めたり。選挙をお金もうけに使うなんて、間違っている」と憤った。 新妻さんは福島県双葉町の出身。6歳のときに起きた東京電力福島第一原発事故に伴う放射能汚染で帰還困難区域となり、東京や福島県いわき市に避難した。家族は東電に勤めている。「福島から東京へ、電気を安定供給してきたことを誇りに思ってきたけれど、事故でがらっと変わった」