常陸国(ひたちのくに)は古くから「常世(とこよ)の国」とたたえられ、万葉歌にも詠まれた。地名とは地域に慣れ親しんだ住民の財産であり、歴史や文化とも密接に関わる。 茨城県の地名は県外出身者からすると難解で、ときに紛らわしい。間違いやすい代表格の一つに「ときわ」という地名がある。 全国的には「常磐」と「常盤」があるが、水戸や鉾田など県内では常磐と表記することが多い。地名だけではない。学校(常磐小、常磐大学)や神社(常磐神社)なども同様だ。 常磐には「常に変わらない岩」という意味があるが、鉄道や高速道路になると、読み方が「じょうばん」に変わる。JR常磐線の名称は、沿線の旧国名、常陸国と磐城国(いわきのくに)(福島県と宮城県の一部)に由来する。「ときわ」は常磐線特急の愛称でもある。 一方、県外では一転し、「常盤」と表記することが多い。都心と埼玉県西部を結ぶ東武東上線の駅、ときわ台(東京都)は近隣の