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幼女の検索結果1 - 12 件 / 12件

  • 幼女とトロール : SSまにあっくす!

    ズシン、ズシン、と、遠くから重くて低い足音が聞こえる。 日が傾き、向こうの山の陰に隠れてすぐ。私は身動きできず、山の真ん中の岩場で、その音を聞いていた。 私は、逃げ出したい気持ちを堪えて、ぎゅっと手を握りしめて膝を抱えた。 怖い、怖い、怖い! 本当なら、今すぐにだって走って逃げ出したい。でも、だけど、それはできない。 私は両足に鎖を巻き付けられ、両手にも枷をはめられている。 こんなんじゃ、走るどころか身動き一つとることもできない。 でも、この足音は、きっとあいつだ。 この山に住む、魔界の住人、トロール… あいつが、ここに向かってきているんだ…。 数日前、私の住む村の半分が、突然起こった鉄砲水で流された。 畑も家も、土砂と水でボロボロにされてしまった。 偶然そのとき畑で野良仕事をしていた父さんと母さんはそれに呑み込まれて氏んでしまった。 村の人たちは、ずっと昔からこの山に住むトロールの仕業だ

      幼女とトロール : SSまにあっくす!
    • 幼女とトロール【第二話】 : SSまにあっくす!

      「よう、大丈夫か?」 「あぁ、うん…はい、なんとか」 「涼しくなるまで休んでろな。もうじき街だ。夕方に出れば、夜になる前に着けるから」 お姉さんはそう言いながら、そっと私のおでこのところに手をかざした。とたんに、溶けかかっていたタオルがキュンと冷えてくる。 気持ち、いいな…そんなことを思って私はまた目を閉じた。ゆっくり深く呼吸をして、頭の中がぐるぐると回っているような感覚を追い出す。 もうここにたどりついて休み始めてからずいぶんたつし、ようやく体の方も落ち着いてきた。 私たちは、砂漠の真ん中にあるオアシスにいた。 見たことのないサボテンのような植物にロープを括って、反対側を地面に刺した杭に結びつけ、その上にシュラフを掛けて簡単なテントをお姉さんが作ってくれた。 私は暑さで完全にやられてしまって、テントが作り出した日陰に寝そべってじっとおとなしくしていた。 お姉さんも妖精さんも全然平気そうに

        幼女とトロール【第二話】 : SSまにあっくす!
      • 幼女とトロール【第四話】 : SSまにあっくす!

        「人間ちゃん、あった?」 「うーん、わかんない…これは違うよね?」 「それはランのお花だよ。でも、トロールの絵に似てるね」 「うん、そっくりなんだけどねぇ…その、なんていうかトロールさん、絵があんまりうまくない、っていうか… この絵だけじゃよくわからない、っていうか…」 「あー…だよねぇ…」 私が広げて眺めた羊皮紙を妖精さんもそんなことを言って覗き込んでくる。 そこに描かれているのは、まるで小さな子どもが描いたみたいなお花の絵。 いや、私もまだ十分だ子どもだけど、さすがにもう少し上手に描けるんじゃないかな… そんなことを思いながら、私は羊皮紙を畳んでポーチにしまって 「とにかく、頑張って探してみよう。このあたりにあるはずだ、ってトロールさん言ってたし」 「うん、そうだね!」 私が言うと妖精さんはキュッと表情を引き締めてそう言い、パタパタと原っぱを飛んでいった。 私たちは、お城から歩いて一刻

          幼女とトロール【第四話】 : SSまにあっくす!
        • 黄色い涙を流す幼女を看取った母の闘病手記

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            黄色い涙を流す幼女を看取った母の闘病手記
          • 幼女とトロール【完結】 : SSまにあっくす!

            どこまでも青く広がる空。 高く漂う雲。 強い日差しに、鼻をくすぐる不思議な香り。 ガタゴトと行く馬車を引く馬は、流石に少しくたびれている様子だけど、それももうすぐそこの街までだ。 「おぅし、もうちょっとだ、頑張ってくれよぉ」 十六号さんがそう言って、御者台へと身を乗り出して馬に水筒の水を掛げている。 「おいおい、嬢ちゃん。悪いね」 御者のおじさんがそう言って笑い声をあげた。そんな御者さんに十六号さんはニカッと眩しく笑って 「馬も暑いだろうしな!」 なんて言い、目を細めて太陽を見上げた。 「んん、この匂い、さっきから何?」 妖精さんが鼻をスンスンと鳴らして誰となしにそう聞く。 「これは潮の香りだよ。海の匂い」 そんな妖精さんに、大尉さんがなんだか楽しそうに応えた。 「私、海なんて初めて!もう見えて来るかな?」 「あぁ、もうじきだ。この丘を越えるときの眺めが格別だぞ!」 私の言葉に、御者のおじ

              幼女とトロール【完結】 : SSまにあっくす!
            • 黄色い涙を流す幼女を看取った母の闘病手記 胆道閉鎖症で亡くなった娘と向きった4年間(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース

              胆道閉鎖症という難病により、20歳で亡くなった娘を悼むT医師の日記を読み込んだ前回記事(「娘の死から最期まで22年の日記に吐露された心情」)。そのT医師の妻Sさん(故人)は「胆道閉鎖症の子どもを守る会」に入っていた。 【画像8枚】茉友香ちゃん誕生時や、その後の壮絶な闘病の様子を記した手記 その縁でか、Sさんは同じく胆道閉鎖症で娘を亡くした、とある母親の手記を保有していたことが、遺品整理の際にわかったという。 T医師の日記の縁により、Sさんの次女から託されたその手記は、1冊のコクヨの青いB5キャンパスノートだった。経年を感じさせる黄ばみはあるものの、丁寧に保管されていたようで、反りやページの剥がれなどはない。表紙をめくるとその裏に1枚の便せんが貼られていた。 ■茉友香が逝ってもう半年。本当に早いものです。 <お久しぶりです。 茉友香が逝ってもう半年。 本当に早いものです。 今やっと茉友香の短

                黄色い涙を流す幼女を看取った母の闘病手記 胆道閉鎖症で亡くなった娘と向きった4年間(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース
              • 連続幼女殺人事件だった? 別事件の受刑者が関与を供述 加古川小2殺害事件は「この場所」で襲われた(小宮信夫) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                2007年、兵庫県加古川市で、小学2年の女児が刺殺された事件について、昨日、急展開があった。岡山県津山市の小学3年の女児を刺殺して服役中の男が、殺害をほのめかしたのだ。 幼い子どもが自宅前で殺害された事件は、長く未解決だったが、ここにきてようやく、解決へと歩み始めた。以下では、この事件から導かれる教訓を探ってみたい。 犯罪はどこで起こる?「人がトラブルに巻き込まれるのは知らないからではない。知っていると思い込んでいるからである」。 アメリカの作家マーク・トウェインは、そう語ったと伝えられているが、犯罪にも同じことが言える。 日々の生活の中で、多くの人が犯罪に巻き込まれているが、それは偶然であって、運が悪かったと諦めている。 しかし、ほとんどは、犯罪発生の確率が高い状況で起こっている。言い換えれば、確率さえ分かっていれば、犯罪を予測し、防げたはずなのだ。 問題は、どのようにして犯罪発生の確率

                  連続幼女殺人事件だった? 別事件の受刑者が関与を供述 加古川小2殺害事件は「この場所」で襲われた(小宮信夫) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                • 転生幼女はあきらめない - 原作:カヤ「転生幼女はあきらめない」(一二三書房刊)/漫画:岬下部せすな/キャラクター原案:藻 / 第51話 | マグコミ

                  転生幼女はあきらめない 原作:カヤ「転生幼女はあきらめない」(一二三書房刊)/漫画:岬下部せすな/キャラクター原案:藻 【毎月第1火曜日更新】転生した世界で有力貴族オールバンス家に生まれたリーリア。母の命と引き換えに生まれてきたことで父親から疎まれ、いきなり人生ハードモード!? でも絶対にあきらめない!数々の困難に直面しても、持ち前のちょっと変わった愛らしさで皆に愛されながら、“よちよち”ではない“すたすた”と歩む異世界幼女ライフ、開幕!!

                    転生幼女はあきらめない - 原作:カヤ「転生幼女はあきらめない」(一二三書房刊)/漫画:岬下部せすな/キャラクター原案:藻 / 第51話 | マグコミ
                  • 幼女とトロール【第三話】 : SSまにあっくす!

                    草の生えていない土道の両側に、木で作られた質素な家々が並んでいる。道を行き交う魔族の姿はまばらで、みんな急ぎ足。 まるで何かに怯えているような、そんな感じがする。城塞都市、って話だったけど、とてもそんなに栄えているようには見えない。 確かに、この村とも町とも言えない集落の真ん中には石造りの大きな建物があって、お城と言えなくもないけれど、 人間界にある城塞都市は、街そのものが大きな石壁に囲まれているお城や砦と街が一体になったような作りになっていたはずだ。 「陰気なところだろう?」 お姉さんが私の顔色をうかがうようにして言ってくる。私は、魔界の悪口を言っちゃいけないような気がして、じゃぁ、なんて答えよう、と口をつぐんでしまった。 それを見たお姉さんは苦笑いを浮かべて 「でも、これでも多少はマシなんだ。一昨日妖精ちゃんが念波網を使って魔界全土に魔王復活の知らせてくれてる。 人間の支配から脱する希

                      幼女とトロール【第三話】 : SSまにあっくす!
                    • 幼女とトロール【第五話】 : SSまにあっくす!

                      SSまにあっくす! SSまにあっくす!は SS速報VIP、Open、SS深夜VIPなどのSS(ショートショート/小説)を保存・収集したサイトです 幼女とトロール 幼女とトロール【第二話】 幼女とトロール【第三話】 幼女とトロール【第四話】 「ふぅ、よし。いい具合だ」 「この隙間が気になるな。なぁ、さっきの小さいのどうしたっけ?」 「これのことです?」 「おぉ、それそれ!それ、ここの隙間に入れちゃおうぜ」 「切り役代わろうか?」 「いや、まだ行ける。あと何枚必要なんだっけ?」 「えっと、三枚ですね、女戦士さん」 「うし、じゃぁ、もう少しだ!片付けちまうぞ!」 翌日、私達は朝から井戸の現場に出張って来ていた。 西の門に集合して虎の小隊長さんと鳥の剣士さん、それに十七号くんがゴーレムを引き連れて樽と荷車を使い井戸から水を汲んで運ぶ役を引き受けてくれたので、 私に妖精さん、十六号さんに、隊長さんと

                        幼女とトロール【第五話】 : SSまにあっくす!
                      • 幼女とトロール【第六話】 : SSまにあっくす!

                        「様子はどうだ?」 パタンとドアの音をさせて、魔道士さんが食堂に顔を出した。 「もう、三里くらいのところまで来てるです」 念信を聞き続けていた妖精さんが、すぐさま魔道士さんに答える。それを聞いた魔道士さんは、ふぅ、と肩の力を抜いた。 「三里か…まぁ、上手く行っている方だろう」 「大尉さん達は、大丈夫です?」 「さぁな。だが、あいつらなら上手くやる」 「…そうだと、いいです…」 魔道士さんの言葉に、妖精さんは心配げな表情を浮かべた。 人間軍が東部城塞に入ったことが分かってから2日が経った。あの日以来、大尉さんと兵長さん、それから魔道士さんが交代で東部城塞に小さな攻撃を掛けている。 お姉さんの言葉を借りれば「嫌がらせ」みたいなもので、とにかく補給物資を狙って士気を削ぐんだ、と言っていた。 同じように、西部城塞に陣を張っていた魔族の軍勢には、黒豹さんと虎の小隊長さん達が補給物資を狙った攻撃を散発

                          幼女とトロール【第六話】 : SSまにあっくす!
                        • 第4話 / お出かけ先は異世界ですか?~身体は5歳・頭脳は16歳の“なんちゃって幼女”、美ケメン達に愛されちゅう!?~ - 漫画:七緒たつみ/原作:天川七/キャラクター原案:ゆき哉 | コミック アース・スター

                          お出かけ先は異世界ですか?~身体は5歳・頭脳は16歳の“なんちゃって幼女”、美ケメン達に愛されちゅう!?~ 漫画:七緒たつみ/原作:天川七/キャラクター原案:ゆき哉 16歳の女子高生・水元桃子は、ある日突然、軍神召喚に巻き込まれ異世界転移してしまう。「うわあああん」気が付くと美形のお兄さん達に囲まれていて…その姿は5歳児に──!?身体は5歳、頭脳は16歳のなんちゃって幼女となってしまった桃子だったが、“モモ”として異世界暮らしを決意する。The王子のバル様、クールビューティーなキルマ、ホスト属性のカイと、3人の美ケメン達による溺愛ライフが始まっていく──…!!【第5回アース・スターノベル大賞・大賞受賞作、待望のコミカライズ!】

                            第4話 / お出かけ先は異世界ですか?~身体は5歳・頭脳は16歳の“なんちゃって幼女”、美ケメン達に愛されちゅう!?~ - 漫画:七緒たつみ/原作:天川七/キャラクター原案:ゆき哉 | コミック アース・スター
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