主人公と語りがあうんの呼吸で一体化。伊藤沙莉が微細な表情の変化と機敏な動きで魅せ、彼女が口に出さない部分を語りの尾野真千子が情緒たっぷりに紡ぐ。奥行きのあるキャラクターに、的を射た表現や胸のすく展開が秀逸な「虎に翼」。女が主語を持つことの難しさをあらゆる方向から描きながら、日本国憲法第14条の尊さを改めてかみしめさせる、稀有(けう)な朝ドラだ。男女不平等で理不尽かつ多難な時代に生まれたヒロイン・猪爪寅子が、価値観や世間体の壁に何度もぶつかりながら、法の下の平等を求めて闘う。闘うというか、自問自答も繰り返し、答えを探していくといったところか。 【写真をみる】「髪長いと別人みたい…!」 “男装の麗人”よね役・土居志央梨さんの可愛すぎる素顔 あまりに面白いので、他のドラマがかすみまくり。寅子同様にお言葉を返したり、主語の奪還に奮闘するヒロインもいたが、格が違った……なんて、すぐに比べて誰かをけな