年間2億7500万本を売る「あずきバー」などロングセラー商品を多く抱え、業績を伸ばしている。明治29年(1896年)創業の老舗企業ながら、時代に合わせた新商品と新規事業への挑戦を成長の原動力とする。今年4月にはアルバイト出身の中島伸子氏が社長に就任。創業の精神を次世代につなぐ役割を担う。 「あずきバー」の生産工程(上)と、あずきバーに次ぐヒット商品になりつつある「やわもちアイス」の生産ライン(右、ともに三重県津市の本社工場)(写真=右下:上野 英和) 2019年4月1日、三重県津市に本社を置く和菓子メーカー、井村屋グループの社長に中島伸子氏が就任した。その経歴はとにかく異色だ。 短大を卒業して結婚した後、自宅から近かった井村屋の福井営業所でアルバイトを開始、経理などの事務や社員の営業への同行に加え、トラックを運転しての配達業務なども経験した。学生時代は教師を目指していたため経理の知識はなに