紅葉が美しい早稲田大の大隈庭園内にある小さな古民家「完之荘」で、早稲田OBの政界関係者らが会合を開いた。寺田稔総務相が辞め、「辞任ドミノ」と大騒ぎになった翌日の11月21日夜のことである。森喜朗元首相や青木幹雄元自民党参院議員会長、小渕優子衆院議員らに加えて、岸田文雄首相もいた。岸田さんは1982年法学部卒。稲門(とうもん)の同窓生にねぎらいの言葉をもらい、珍しく愚痴や弱音もこぼれたと伝えられる。 早稲田出身の政治家といえば、戦後5人の首相を輩出した弁論サークル、雄弁会のOBが目立つ。森さん、青木さんもそうだ。雄弁会にはかつて「派閥」があり、会の代表を選ぶ幹事長選挙では永田町さながらの多数派工作が繰り広げられた。「雄弁会100年史」には、立候補した青木さんを勝たせるために森さんが奔走したという生々しい記述もあった。ひょっとして、岸田さんも雄弁会で辣腕(らつわん)をふるっていたのだろうか。学