私は九州の片隅の漁村で育ち、県庁所在地で寮生活をして、そこから関東に上京して今がある。だから、田舎から地方中枢都市、そして東京に至るまで全てを見て来たので、田舎と都会をきちんと語ることができる。 そして、田舎が何もない、というのは結構都会の人には伝わりにくい。 日本は戦後から、国鉄の民営化までは日本全体を一つのネットワークと設定し、津々浦々を結んで一つの国の形であろうというイメージが非常に強かった。 なぜ国鉄の民営化が出てくるかと言えば、国鉄の大赤字は全国に均一ネットワークを作ろうとした政治の失敗の結果だからだ。 象徴的な文章がある。田中角栄『日本列島改造論』の一節である。 toyokeizai.net 「もう一つ、ふれておかなければならないのは日本国有鉄道の再建と赤字線の撤去問題である。国鉄の累積赤字は47年3月末で8100億円に達し、採算悪化の一因である地方の赤字線を撤去せよという議論