青森県下北半島の太平洋側。人口1万人ほどの村に巨大な化学プラントのような施設がある。青森県六ヶ所村の再処理工場だ。なぜ、この施設が政策の「根幹」とか「中核」などと呼ばれるのか、多くの関係者から話を聞きながら学んできたことを思い出す。 戦後まもない頃から構想が立ち上がった核燃料サイクル政策。核燃料が形を変えながらぐるぐると回るイメージだ。 日本の電源構成に大きく関わってきた原子力発電。原発では発電後、使い終わった核燃料が出てくる。この使用済みとなった核燃料の中に残っているプルトニウムを、六ヶ所村の工場で「再処理」という化学的な処理で取り出す。さらに、別の工場で、特殊な核燃料「MOX(モックス)燃料」に加工する。 「MOX」とは、「Mixed Oxide」からきている。プルトニウムとウランを「混ぜた酸化物」の意味だ。取り出したプルトニウムから加工した「MOX燃料」を原発で再び利用する、というの