大型輸送機が東京や神奈川などの上空で300キロ超にわたる周回飛行を繰り返すなど、在日米軍が首都圏の広範なエリアで活動している。毎日新聞の調査から見えてきた、こうした飛行を可能にする要因に挙げられるのが「横田空域」の存在だ。戦後から現在に至るまで米軍が管制権を握っている。日本政府は横田空域について「訓練用ではなく米軍の排他的使用を認めていない」とするものの、実態としては訓練の場として活用されている可能性がある。 空域は、米軍横田基地(東京都福生市など)が管理。空域内にある同基地や厚木基地(神奈川県)で離着陸する航空機の進入管制などを行うためのもので訓練用ではない。 1都9県をまたぐ巨大な山脈のような形状をしており、広さは南北約300キロ、東西約130キロに及び、高度の上限は約7000メートル。民間旅客機は、空域通過時に米軍の許可を得る必要があるため、迂回(うかい)したり山なりに越えたりするな