さまざまな不安から解放される方法はないのか。建功寺住職の枡野俊明さんは「いま、禅語でいう“妄想もうぞう”でみずからを追い込んでいる人がたくさんいます。その最たるものが『不安』です」という。存在しないものにおびえ、間違った行動を重ねて大失敗……そんな負のサイクルを抜け出す方法を、セブン-イレブン限定書籍『やめる練習』から明かす──。(第2回/全3回) ※本稿は、枡野俊明『やめる練習』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。 心を縛る「妄想」を手離す 人の世は一瞬たりともとどまることをせず、絶えず変化をしています。常が無い、つまり無常です。常に変化していれば、未来に何が起こるかは人の理性では予測できません。人生とはそういうものですから、不安のない人などいません。 「莫妄想まくもうぞう」という禅語があります。「妄想するなかれ」という意味ですが、この場合の妄想は心を縛るものすべてを指します。