生活保護受給者の自動車保有を原則禁止とする制度の見直しを求める声が出ている。交通インフラが乏しい地方では「生活の足」として車が欠かせず、保有が死活問題の受給者も多い。要件を満たせば保有を認められる場合もあり、支援団体は「すぐに諦めないでほしい」と呼びかける。(報道部・片山佐和子) 【図で見る】乗用車の世帯保有率 ■厚労省は例外容認 支援団体「諦めないで」 福島県の30代男性は昨年、失職を機に生活保護を受給。福祉事務所から走行距離約10万キロの軽乗用車を処分するよう求められた。 男性と妻は病気療養しながら子ども2人を育てる。妻は電車やバス、タクシーなど他者がいる閉鎖空間ではパニック障害を起こす。男性は「車なしでは通院や買い物もできない。便利な場所は家賃が高く、保護費で賄えない」と途方に暮れた。 今年に入り、男性は福祉事務所と交渉したが「車の処分は規則」とはねつけられたため、東北生活保護利用支