フレンチビストロの魚料理といえば、白身魚のポワレ。ポワレとは一般に、適量の油でフライパン焼きにすることをいいます。ソースも付け合わせも必要ありません。シンプルなだけに、焼き方がすべての、逆に難度の高い料理です。芯まで完全に火が通って、全体にパサッとしたらもう失敗。今日は「ル・マンジュ・トゥー」谷 昇シェフのご指導で、いまが旬の真鯛に挑んでみましょう。 「僕のベストな焼き上がりのイメージは、皮がカリカリで、身は驚くほどしっとり。そして中心の5ミリだけが半生で、ナイフを入れると鯛のジュ(肉汁)がしたたり落ちる状態。こんなふうに味にグラデーションができたら大成功! 鯛はとくに皮が堅いので、パリッと焼ききってください」 (谷シェフ)。 真鯛のポワレ 撮影:日置武晴 「ではそんなふうに焼き上げるにはどうしたらいいでしょう? 鶏肉のときと同じです。皮を下にして、中火で焼いていくだけです。ただし1つだけ