千葉県松戸市にある常盤平団地地区は、2000年代初頭に立て続けに起こった孤独死をきっかけに、日本でもいち早く孤独死対策を始めた地域だ。高齢化が進み、人知れず亡くなる高齢者が急増するこの国で、彼らが実施する最先端の孤独死対策とは──。 孤独死の現場から漂う臭い 「たまに挨拶はしますが、それ以上の付き合いはありません。近所の誰かが亡くなっても、気づかないんじゃないかしら」と、76歳のシカマ・ノリコは言う。 都心への通勤圏にある千葉県常盤平団地で一人暮らしをしているシカマは、ボランティアが出してくれるコーヒーを飲みながら住民たちと情報交換するために、地域の交流の場である「いきいきサロン」を訪れていた。 ここでは、白髪染めの是非のような日常的な議論に混じって、最近の孤独死に関するニュースも話題になる。孤独死とは、正式には「誰にも看取られることなく息を引き取り、一定期間経過後に遺体が発見されること」