「ジリ・パターン」とはなんだろう 平面充填(じゅうてん)を理解するにあたり、この連載の以前の記事〈まずは、長方形でやってみるとよくわかる…じつに、単純極まりない形が「美しく、複雑なパターン」に一変する「驚愕の手法」〉で紹介した「テセレーション」に加えて、もう一つ、どうしても知っておいていただきたい予備知識があります。 イスラム社会でよく見かける、「ひもがいろいろな形をとりながらずっとつながる模様」です。 このような模様を英語で「ジリ・パターン(girih pattern)」といいますが、イスラム圏の微妙な発音で「ギリ」とも聞こえるため、統一的な日本語はありません。『ペンローズの幾何学』ではジリ・パターンとしています。 このようにラインがずっと続く模様は、さまざまな時代のいろいろな文化で見られます。おそらく権力者などの血統がずっと続く(続いてほしい)ことを象徴する意味合いも含まれているものと