今年の最終水揚量は4万トン前後で着地するペース。2020年以降の5年間では最多になるとみられるが、かつての「20万トン時代」と比べると“豊漁”とは言い難い サンマの漁獲が、歴史的不漁からやや回復している。ただ、長い目で見れば2020年代の大不漁と比べ微回復した段階で、2010年代前半までと比べると8割ほど少ないペース。〝豊漁〟との声も聞こえてくるが、実態は程遠い水準だ。低迷する資源の回復へ、希望の光はあるものの、まだまだ道半ば。業界からは、国際的な資源管理の進展による漁獲の復活を期待する声が上がっている。 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)によると、10月末時点の全国のサンマ水揚げは2万9344トン。既に昨年までの直近3年間の最終実績を上回り、ここ6年間の10月末の水揚量としては最多だ。2020年以降は毎年同時期に1・6万トン未満だったのと比べると改善がみられる。