海水魚が海水よりも早く育つという驚きの効果を持つ「好適環境水」。この新しい水は、場所を問わず魚の養殖を可能にするだけでなく、資源の枯渇・過疎・労働人口の減少など、様々な問題解決に貢献する。 海水魚は海水でしか育てられない。そんな誰もが疑いもしなかった「常識」を覆したのが、岡山理科大学の山本俊政准教授が開発した「好適環境水」だ。ナトリウム・カリウム・カルシウムという魚の代謝に必要な3種類の電解質を真水に加えたもので、しかもその濃度は海水と比べて非常に低い。 この好適環境水は単に海水魚を育てるだけでなく、海水よりも早く成長させるという驚くべき効果を備えている。しかも味が良く、真水と施設稼働用のエネルギーを確保できれば、場所を問わず養殖が可能になる。さらに病気の発生率が極めて低いため、薬の投与が必要なく、海水や人工海水よりもコストが圧倒的に低い。まさに良いこと尽くめの「夢の水」だが、その誕生には