奈良県内初の新聞とされる印刷物から歴史をひもとく企画展「日新記聞が伝える明治の奈良町」が、奈良市脇戸町の市史料保存館で開かれている。旧市街・奈良町に関する記事をピックアップして紹介し、絵地図や写真などの関連資料も展示している。17日まで。 奈良市史などによると、「日新記聞」は1872(明治5)年5月~翌年11月に「日新報社」(後に「日新社」に変更)が月3回発行。縦22センチ、横15センチの木版刷りで十数ページの小冊子だ。明治政府の開化政策に合わせて暮らしの近代化を進めるのが目的で、県の広報誌としての役割も期待されていたという。 創刊号では、71(明治4)年に奈良県ができた後の県庁内の様子を描写。いすと高い机が置かれ、役人たちは刀を持たず、洋服で靴のまま出入りしていることを、驚きとして受け止めている。興福寺の猿沢池周辺では、人力車が日増しに増えていることも紹介している。 72年10月発行の第